蚊はなぜ夜に活発になるのか?モスブロッカー技術顧問ジェイムス・マイケルが語る行動パターンと種類別の特徴
- Jamie Lane
- Jul 31
- 3 min read
こんにちは。モスブロッカーの技術顧問、ジェイムス・マイケルです。
「夜になると蚊が増える気がする」「寝ているときに限って刺されるのはなぜ?」
誰しも一度は感じたことがあるこの疑問、実は科学的に説明できます。
今回は、蚊の行動パターンを種類別・時間帯別に分類しながら、なぜ夜に蚊が活発になるのかをわかりやすく解説します。

🌗 蚊は「夜行性」なのか?答えは“種類による”
まず最初に明確にしたいのは、「蚊=夜行性」というイメージは半分正解で半分誤解です。
実は、蚊には昼行性の種と夜行性の種が存在します。
✅ 主な蚊の種類と活動時間帯
種類 | 主な活動時間 | 備考 |
ヒトスジシマカ(昼行性) | 朝と夕方が活発 | デング熱の媒介で有名/都市部にも多い |
ネッタイシマカ(昼行性) | 朝〜夕方 | 日本ではほぼ未定着/東南アジアに多い |
チカイエカ(夜行性) | 日没後〜深夜 | 日本のビル街や地下に多い/夜刺される主因 |
ハマダラカ(夜行性) | 夕方〜夜中 | マラリア媒介種/主に熱帯地域に分布 |
つまり、「夜中に刺された=チカイエカの可能性が高い」「昼に屋外で刺された=ヒトスジシマカの可能性が高い」という見方ができます。
🌃 なぜ夜に蚊は活発になるのか?科学的理由3つ
1. 🌡 気温と湿度が安定する
蚊は小さな昆虫であり、極端な暑さに弱いという特性があります。日中の炎天下では乾燥や熱でダメージを受けやすく、草陰や水辺で静かに過ごしています。
夜になると:
湿度が上がる
気温が下がり安定する
空気が動きにくくなる(風も弱まる)
この環境は、蚊にとって**「活動しやすくなる条件がそろっている」**状態になります。
2. 👃 人間が無防備になりやすい
シャワー後で皮脂や香りが変化している
パジャマや薄着で露出部が増える
寝返りなどの小さな動きでCO₂濃度が高まる
蚊は、二酸化炭素・体温・乳酸の3点セットを手がかりにターゲットを探します。
寝ているときほど、それらのサインが蚊にとって“わかりやすい”状態になっているのです。
3. 🧬 進化的に「夜行性」が有利だった種が多い
夜に活動することで:
鳥やコウモリなどの天敵を避けやすい
日中よりも「血を吸われても気づかれにくい」人間が多い
このような進化上の有利性が、蚊を夜行性に導いてきたと考えられています。
🧭 技術顧問としての視点:「夜の蚊」が難しい理由
私は多くの蚊の調査・防除に携わってきましたが、夜間の蚊対策は昼よりも難しいと感じています。
その理由は:
音や光が使えない(人が寝ている)
目視確認が困難
人間の反応が鈍く、刺されやすい
実際、住宅街のチカイエカによる被害相談は、夏の夜に集中しています。
💡 対策のポイント:「夜型の蚊」を見越した工夫
以下は、夜に活動する蚊への実用的な対策です:
就寝1時間前に寝室の通気と風の調整
網戸・ドアの閉め忘れチェックは夕方のうちに
足元・耳元を冷風で覆う(扇風機)
香り付きのボディクリームを避ける(特に柑橘・花系)
寝室の隅に蚊取り器や拡散タイプの忌避剤を置く
こうした「先手の工夫」が、夜間の蚊の侵入や吸血を大きく減らすことができます。
📝 まとめ:蚊の行動時間を知れば、防ぐ方法も見えてくる
「蚊=夜に出る」というのは、正確には“種類による”ということがポイントです。
ですが、共通して言えるのは:
夜の時間帯にこそ、私たちは蚊への対策を意識すべきだということ。
蚊は賢く、静かに、確実に私たちの隙をついてきます。だからこそ「知識と準備」が、最も効果的な防御になります。
私たちの生活を少しでも快適にするために──今夜から、ひとつでも実践してみてください。
技術顧問 ジェイムス・マイケル
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